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◇都民は「継続」選択 「震災選挙」でも強さ
都民の選択はまたしても石原さんだった。10日投開票された都知事選で、石原慎太郎氏(78)が圧倒的な強さを見せつけて4選を果たした。東日本大震災で社会に不安が広がる中での選挙戦。「世代交代」「都政の刷新」を掲げて挑戦した前宮崎県知事の東国原英夫氏(53)、ワタミ創業者の渡辺美樹氏(51)、共産党前参院議員の小池晃氏(50)らは、「現職」の厚い壁を破ることができなかった。【都知事選取材班】
◇防災服姿で現場奔走 高齢・多選批判に対抗
「身命を賭して最後のご奉公をする」と都議会で出馬表明した直後に震災が発生。石原氏は現職知事として公務に専念せざるをえず、街頭にほとんど出られない異例の選挙戦となったが、連日、防災服姿で現場を飛び回ることが、逆にリーダーシップや体力、発言力を強くアピールすることになった。
自ら「多選はよくない」「人間は同じことを何回もやっちゃダメなんだ」などと公言していた。加えて78歳という年齢。都知事の先輩である鈴木俊一氏の4期目には、高齢・多選が争点となっており、今回も似た展開が予想された。
だが、「東京が混乱することは国家の喪失につながりかねない」と出馬を決めた後は、「自分は150%出るつもりはなかった」と、ことあるごとに繰り返し、多選・高齢批判が高まるのを封じ込めてしまった。
震災対策では、原発への放水で活躍した東京消防庁の部隊に対する国の対応が不適切だったとして、首相官邸に乗り込んで首相に謝罪を要求。水道水から放射性物質が一時検出されると、コップの水を飲み干すパフォーマンスも見せた。派手な動きがそのまま無党派層に訴える選挙活動の「空中戦」となった面がある。
一方、強く出馬を求めた自民、公明が「地上戦」を引き受けた。都議らが支援者に電話をかけ続けるなど、地道に組織票を固めた。震災で選挙自粛ムードが色濃く漂う中、石原氏一人が空中戦と地上戦の合わせ技で票を積み上げた。知名度の高いライバル候補が複数出馬し、批判票が分散したのもプラスに働いた。
◇「東京から日本救う」 石原氏の掲げた公約11項目
石原氏は「東京から日本を救う」をキャッチフレーズに選挙戦に臨んだ。
告示日の記者会見で最も実現したい公約を問われると、07年に国が都の法人事業税の一部を国税化してから毎年三千数百億円の財源が移転している現状を挙げ、「取り戻して東京の災害対策に使う」と宣言。教育面では「若者を鍛え直したい」と強調した。
公約集に掲げた政策は11項目。防災を筆頭に少子高齢化対策、環境、経済、文化など幅広い。「身命を賭した最後のご奉公」とする今後4年間で、どれだけ実現できるか問われることになる。【真野森作】
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■石原都政を巡る動き■
99年 4月 都知事に初当選
5月 駐日米大使に横田基地の返還を申し入れ
8月 「ディーゼル車NO作戦」開始
11月 都職員給料の4%削減を職員組合トップと合意
00年 2月 銀行の外形標準課税(銀行税)の導入を発表
都内を走るディーゼル車に排ガス中の微粒子の除去装置を装着することを義務づける規制案を発表
10月 羽田空港国際化に向け拡張案を政府に提案
12月 都営地下鉄大江戸線が全線開業
01年 9月 米軍横田基地で都が初の防災訓練
11月 ホテル税(宿泊税)導入を発表
02年10月 都庁展望室でカジノの疑似体験イベント
03年 1月 東京外郭環状道路の大深度地下建設案を発表
4月 308万票の大量得票で再選
5月 中小企業向けに無担保融資する新銀行構想を発表
9月 銀行税を巡る訴訟で銀行側と和解
04年 3月 卒業式での国歌斉唱時に起立しなかったとして都教委が教職員171人を戒告処分
4月 都が1000億円を出資し新銀行東京が発足
05年 4月 首都大学東京で初の入学式
7月 側近の副知事が議会での「偽証」問題で辞任
9月 都議会で2016年夏季五輪の招致を表明
06年11月 四男が都の文化事業に関与し、公費で海外出張していたことが発覚
07年 2月 高額な海外出張が批判を受け、経費をホームページで公表
4月 281万票余を獲得し3選
08年 3月 新銀行東京に都が400億円を追加出資
6月 大規模事業所に二酸化炭素削減を義務づける都条例成立
10〜11月 妊婦の搬送を受け入れられない病院が続出していたことが発覚
09年 7月 都議選で民主党が第1会派に。自民、公明両会派が過半数割れ
10月 国際オリンピック委員会の投票で16年夏季五輪の開催都市がリオデジャネイロに決定。東京は招致に敗れる
10年10月 民主など野党会派の反対を押し切り築地市場の江東区豊洲地区への移転推進を決断
12月 漫画の過激な性表現を規制する青少年健全育成条例を改正
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■石原氏の選挙公約一覧■
「心もとない国にNO! 東京から日本を救う!」
◆防災…東京を「高度防災都市」に
・緊急輸送道路沿い建物、病院、小中学校の完全耐震化
・上下水道などライフラインの耐震強化
・津波高潮対策強化と帰宅困難者の帰宅ルート確保
・木造密集地域を燃えない街に転換
・地下貯留施設増強によるゲリラ豪雨対策
◆若者…世界に挑む若者を育てる
・ハローワークを国から都へ。起業や若い才能を応援
・中小企業の採用情報を新就職サイトで発信
・教科書や学用品の補助を含む都内高校の実質無償化
・ものづくり教育の強化。新タイプの工業高校を新設
・技能五輪国際大会を誘致
◆高齢者…東京から高齢福祉のモデルを
・「生涯現役」へ向けシニアハローワークを設置
・民間フィットネスクラブを活用した若返り拠点整備
・高齢者を一人にしない新しい共同生活を提案
・高齢者を守る「シルバー交番」を大増設
・アルツハイマーワクチンを都が開発
◆少子化…子育て世代を強力に後押し
・「出生率2.08作戦」を展開
・駅ナカ保育所の大増設。都営交通から率先展開
・病児・病後児保育、学童クラブの大増設
・経験豊かな保育ママが子供たちに愛情を注ぐ
◆環境…東京からエネルギーを生産
・地熱発電、波力発電、都市鉱山、レアメタルの開発
・太陽光パネル、太陽熱利用機器の普及促進
・長寿命省エネ住宅への建て替え促進
・次世代自動車(EV、HV)の普及促進
・新たに1000ヘクタールの緑を生み出す
◆経済…東京が日本経済を救う
・税制優遇などで外資系企業のアジア本社を誘致
・中小企業の研究開発・経営・市場開拓を全力支援
・上下水道や廃棄物処理など首都のノウハウを売り込む
・羽田空港や京浜港の強化で東京をアジアのハブに
・多摩シリコンバレーなど知的創造のインフラを強化
◆文化…文化を成熟させ、街を救う
・水の都の再生、国際観光都市化、若手アート作家育成
・「スポーツ都市東京」宣言。五輪招致やジュニア育成
・障害者の社会参加(雇用、バリアフリー、教育)支援
・交番機能やテロ対策の強化で「安全神話」を復活
・救急医療網強化と新生児集中治療管理室の大増設
・公共機関の外国人スタッフ配置で外国人に快適な街へ
◆国土…国土を守り、日本を救う
・水源林保全。沖ノ鳥島、南鳥島の海洋権益保全
・拉致被害者の一日も早い救出
◆首都圏…首都圏連合を起点に日本を救う
・団結力で救急医療連携システム、花粉症対策、電気自動車普及、受動喫煙防止対策など新政策を大展開
◆行革…真の行財政改革を体現
・新しい公会計制度や包括外部監査で不断の行財政改革
・企業やNPO等の力を生かして組織・仕事をスリム化
・将来を見すえた賢い財政運営を堅持
◆分権…公会計制度改革を基軸に真の地方分権を実現
・東京から財源を奪う動きに断固反対
・首都としての財源を必ず確保
・都が開発した新しい公会計制度を全国に普及させる
・分権に逆行する法人事業税の暫定措置は即刻廃止へ
・首都圏9都県市が連携し、国に対抗する政策を実現
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◇都知事選開票結果=選管最終発表
当2,615,120 石原慎太郎 78 無現
1,690,669 東国原英夫 53 無新
1,013,132 渡辺美樹 51 無新
623,913 小池晃 50 無新
48,672 ドクター・中松 82 無新
10,300 谷山雄二朗 38 無新
6,389 古川圭吾 41 無新
5,475 杉田健 43 諸新
4,598 マック赤坂 62 諸新
3,793 雄上統 69 諸新
3,278 姫治けんじ 59 諸新
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石原慎太郎(いしはら・しんたろう)78 無現(4)
作家[歴]参院議員▽衆院議員▽環境庁長官▽運輸相▽一橋大
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◇知事略歴の見方◇
▽氏名▽年齢▽党派▽現元新の別▽当選回数(カッコ内数字)▽職業・肩書([元]は前職を含む)、[歴]は過去の経歴▽学歴。政党略称は、無=無所属
〔多摩版〕
4月11日朝刊
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